【Aを選択】
アタシはトムを厨房に連れて行くことにした。
ラルスとネストリは、渋々承諾した。
ルディ
「犯人に繋がる重要な手がかりだからな!」
廊下を歩きながら、ラルスはトムに言う。
ラルス
「ところで、トムはずっとアンジェリカの部屋にいたのか?」
トム
「あぁ、部屋にいた」
ラルス
「なら、何故犯人に心当たりがあるんだ?」
トム
「それは現場で話させてもらうよ」
+++++
厨房。
ルース、アレクシアも揃っている。
アタシはトムを紹介した。
ルース
「はあ。ベッドに生きた人形ですか…アンジェリカも悪趣味だ」
アレクシア
「犯人に心当たりがあるなら、話してください」
トム
「あぁ…」
トムは話し始める。
トム
「犯人は、ケチャップのメアリーだ」
ルディ
「ケチャップのメアリー?? 誰だそれ」
聞き慣れない名前だ。
トムは続ける。
トム
「ケチャップのメアリー。奴はトマト畑の暴れ馬と言われた女。
アイツは100年前にこのアルシデに生まれた。トマトを食べ尽くし、赤い体で森林の階をケチャップで蹂躙した。世界をオムライスにするために、あらゆる悪事を尽くしたんだ。
だけどある時。卵王子がやってきて、メアリーとオムレツを作りたいと言った。メアリーは戸惑った。オムレツなんかより、オムライスの方が好きだったからだ。オムライスはおいしいし、旗をつけられるし、楽しいし、あとおいしいし。
考えた末、メアリーは卵王子を殺した。卵の黄身と白身なった卵王子は、黄身を納豆に入れられ、白身はケーキのメレンゲに使われた。かくして、アルシデに、戦争の炎が燃え上がった。
メアリーは、国際的犯罪者として、指名手配された。
だけど、メアリーはめげなかった。逃げ続けた。自分を追ってくる鶏人間や、卵王子の妹のキャシー、弟のグレッグ、いとこのルーシー、あと、居候でニートのジョン。彼らの手から、逃げ続けた。
そして月日は流れて、メアリーはこの、アンジェリカの森の洋館にたどり着いた。その時のメアリーはもうボロボロだった。もう死んでもいいとすら思っていた。そんな彼女に居場所を与えたのが、アンジェリカだった。
メアリーはアンジェリカに尽くした。アンジェリカと一緒にオムライスとかを作った。彼女はもう、このままここで一生を終えたいと思った。
だけど、メアリーを追ってきた、居候でニートのジョンが森の洋館ごとこの地を滅ぼそうとした。アンジェリカはメアリーのために戦った。それほどまでに、メアリーを愛していたんだ。激闘の末、アンジェリカは居候でニートのジョンを倒した。世界に平和が戻ったんだ。
その後…まぁ、なんか、いろいろごちゃごちゃして、メアリーはアンジェリカを殺すことを決意するんだ。
間違いない。犯人はケチャップのメアリーだ」
トムは話し終える。
ルースは考えた。
ルース
「犯人がケチャップのメアリーだとするなら…冷蔵庫にケチャップはありませんでしたが…」
トム
「そうか…なら、メアリーは捨て身の殺人を行なったんだろう」
ルディ
「そんな…それほどまでに、アンジェリカを…」
トム
「メアリー。愚かな女だ…」
こうして事件は解決した。
ケチャップのメアリー…
アンジェリカ…
アタシたちは、亡くなった2人を想うのだった。
NORMAL END【ケチャップのメアリー】