【Bを選択】
アタシはネストリと一緒に行動することにした。
ルディ
「アタシ、ネストリと一緒に1階を調べるよ」
ネストリ
「えぇ? なんでルディが僕と一緒に?」
ルディ
「ネストリ、まだ小さい子供だし。アタシ心配でさ」
ネストリ
「むー! 余計なお世話だよー!」
ラルス
「ネストリのおもり役は何人いてもいい。助かる」
ネストリ
「ラルスまでー!」
こうして、アタシたちはそれぞれ分かれて調べることにした。
+++++
まず調べたのは大広間。
アタシたち全員が集まっていたところだ。
ルディ
「うーん。特に変わったものは見当たらない感じだけど…」
ネストリ
「ねー! 見て見て!!」
声の方に顔を向ければ、そこには大きなネズミの死体を手に持ったネストリがいた。
アタシの目の前でネズミを振り回す。
ルディ
「うわあああああ!!!」
ラルス
「ネストリ。今はネズミで遊んでいる場合じゃないだろう」
ネストリ
「えへへ~。こんなおっきいネズミなんて、陸地の階ではみないからさ!眠らせて遊んじゃった!」
ルディ
「眠らせて?」
ネストリ
「そう! 僕は周りのものを眠らせる魔法が使えるんだ!」
ラルス
「今は使わなくていい」
ネストリ
「はーい」
とはいえ、大広間には手がかりらしいものはなかったので、アタシたちは1階の別の場所を探す。
廊下を歩いていくと、ひときわ目立つ扉のある部屋があった。
ネストリ
「なんだろう、この大きな扉!」
ラルス
「随分と豪華な仕様だな」
ルディ
「プレートが下がってる…なになに…『アンジェリカの部屋』?」
アンジェリカの部屋。
まさかの、館の主の私室だった。
ラルス
「プライベートルームとはいえ、この非常事態だ。入らないわけにはいかないだろう」
ネストリははしゃいで言う。
ネストリ
「もうアンジェリカは死んでるもんね! プライベートも何もない! 死人に口無し!」
ルディ
「あんまりそういうこと言ってやるなよ…」
なんていうか、ネストリってTPOをわきまえないというか…
自由だよなぁ。
アタシたちはアンジェリカの部屋に入っていった。
+++++
アンジェリカの部屋はなんというか…
華やかで、ザ・女の子の部屋、って感じ。
全体的にパステルピンク色の部屋。置いてある家具はヒラヒラふわふわしててかわいいし、何の使い道があるか分からないデカい花のインテリアまである。
ネストリ
「わ〜! 無駄なものがいっぱい!」
ルディ
「オシャレを無駄って言うなよ…」
ラルス
「だが、物が多い部屋だな。何か調べれば、情報が出てくるかもしれない」
アタシたちはアンジェリカの部屋を調べた。
ネストリ
「ねぇねぇ! これなーにー!?」
ネストリが手に持っているのは、化粧水のボトル。
ルディ
「それは化粧水だよ」
ネストリ
「毒かと思ったけど、違うか〜」
アンジェリカって結構良い化粧水使ってるんだなー、なんて思う。
しばらくして、またネストリは言う。
ネストリ
「ねぇねぇ! これはー!?」
ネストリが手にしていたものは、ムダ毛処理用の安全カミソリだった。
ルディ
「それはカミソリだよ」
ネストリ
「凶器かな!?」
ルディ
「そのカミソリで人は殺せないよ」
ネストリ
「カミソリなのに!?」
ルディ
「皮膚が切れないようになってるんだよ、それ」
ネストリ
「むー、変なカミソリ!」
アンジェリカにもムダ毛って生えてくるんだなー、なんて、生理現象とはいえ、知りたくなかった…
またしばらくして、ネストリは言う。
ネストリ
「ねぇねぇ! ゴミ箱漁ったら、こんなの出てきた!」
その手には、アンジェリカのパンツが握られていた。
ヨレヨレの薄茶色のパンツ…
ルディ
「ネストリ…死人に口なしとはいえ、やめてやれ…」
ネストリ
「これは何かの証拠にならないかな!?」
ルディ
「ならないよ…」
なんか、アンジェリカの生々しい私生活が見えて、げんなりしてくる…
アンジェリカもヨレヨレの薄茶色のパンツなんて履くことがあるんだー、なんて、知りたくなかった。
ネストリ
「そう言うルディは、何か見つけたの?」
ルディ
「えっ。いや…」
ネストリ
「あはは! 何にも見つけてないじゃんか〜! 役立たずっ!」
ルディ
「役立たず言うなっ!」
だがネストリの言う通りだ。
何か犯人の手がかりなりそうなものを見つけないといけない。
ルディ
「ラルスはどうだ? 何か見つけたか?」
ラルス
「…机に引き出し、クローゼットと、怪しそうな所はあらかた探したが…犯人に繋がりそうなものは見当たらないな」
ラルスは困ったように唸る。
じゃあ、アタシはまだ2人が探してなさそうな所を探そう。